石若礼子・増田泰久(久住 牧野の博物館)
まえがき
私たちが行っているカヤネズミの営巣習性を知るための実験で、どのような個体が(雄、雌、妊娠雌など)、何時、どのような巣を造るかが次第に明らかになっています。その過程では、実験の目的とは直接関係がないようなカヤネズミの行動であったり、数値化ができにくいあるいは観察例数を十分確保することができにくいような行動であったりするために論文にすることは困難と思われる観察例もかなりありました。この文で取り上げた行動は、現時点ではカヤネズミの生態にとってどのような意味をもつのか解釈することがなかなか困難なものもありますが、他の観察例の蓄積により、今後、カヤネズミの習性の全体像を明らかにしていくうえで参考になるかもしれません。なお、ここで取り上げた行動は事実ではありますが、その解釈、意味づけは筆者らの主観的なものであることにご留意ください。
内 容 |
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