第3話 お産直前はお母さんのストレスがピークに
お産が近づくと雌親のお腹は大きく膨らみ、直前には横腹にとびだした凸部が動くのを見ることもあります。雌親の動きはノタノタした感じになりますが、餌や水を摂取するために草の茎葉を平気で登り降りしていますし、必要な場合には繁殖巣を短時間で造る作業もこなします。
お産の時間帯は、季節や胎仔の数の影響があるようですが、今までの観察では、多くは朝8時頃から11時頃のようですが、初産の場合に巣内に入れた温度データロガ-の解析では、17時過ぎに巣に入り、21時頃までお産が続いた例がありました。この例では離乳時に確認した幼獣数は3頭でした。
動画観察によると、お産直前の深夜から早朝にかけては非常に落ち着きがなくなる個体が多く、植物の茎葉を激しく登り降りしたり、実験ケージの金網、土あるいは植物の枯死根の塊などの異物をかむ動作が記録されています。
直前の早朝(午前4時)の動画 金網を囓る。(31秒、5.51MB)
お産直前の採餌(午前7時)の動画 土あるいは枯れた植物根をもって食べる。
お産直後の採餌(午前11時)の動画(49秒、8.18MB)
お産前日のお母さんの大きなお腹(13秒、3MB)
前の動画のお母さんのお産後(午前中にお産)。雌が時々みせる体をうねうねする動作(意味不明)も戻っています。(21秒、4.9MB)
(2014年12月11日、2015年2月25日動画追加)