石若礼子・増田泰久(久住 牧野の博物館)
2017.06.12

 カヤネズミがつくる巣の特徴の一つは、巣材が非常に細かく裂かれていることです。野外で発見した巣がカヤネズミのものかどうかの判定で、最も重視するのは巣に使われている巣材のこの特徴です。なぜカヤネズミは巣材を細かく噛み裂くことができるのかを身体の特徴や運動能力から明らかにすることは、カヤネズミの生態を知るための研究課題の一つです。
営巣行動における巣材を噛み裂く動作を動画撮影したものを一部公開します。自分の周囲にある巣材を無作為に(のように見える)口にくわえ、歯と前肢を使って非常に細かく裂いていく様子を見ることができます。
枯れたチガヤの葉(立ち枯れを冬に採集)を10~15cmに裁断し、24cm×15cm、高さ18cmのケージに厚さ10cm程度入れ、経産雌を導入し、導入1日後における営巣行動を撮影しました。

撮影は赤外線照明搭載小型カメラ(ITC-405HIR型 f=8mmレンズ)、画像記録はSDカードレコーダーDVF-7型(コロナ電業(株)製)を用い、被写体の動きが検知された場合に録画するモーション録画で記録しました(30フレーム/秒)。
Windows Media Player で見ることができますが、低速再生で見るのが良いかもしれません。

枯れ葉を噛み裂く動作(15.8MB, 1分30秒)