石若礼子・増田泰久（久住 牧野の博物館）
2013.09.01
筆者らは、イネ科草本群落内にケージを設置し、カヤネズミを放飼して、営巣行動を詳細に調査しています。本報では、雌雄ペアで放飼したカヤネズミ雌個体が、妊娠した後に行った、空中球状巣の営巣、分娩後の巣の出入り、哺乳・吐き戻し、幼獣の生長などの様子を動画撮影しましたので、その一部を紹介します。
2013年7月21日（分娩前15日）から8月17日（分娩後12日目）まで撮影した動画を編集して掲載します。画像が鮮明ではなく、見にくいものもありますが、カヤネズミの繁殖行動の理解に参考となる１例としてご覧ください。
撮影は小型白黒暗視カメラ（MK-323型 f=3.6mmあるいはf=16mm）、画像記録はSDカードレコーダーAD-S20型(キャロットシステムズ（株)製）を用い、被写体の動きが検知された場合に録画するモーション録画で記録しました（30フレーム／秒）。
写真は動画撮影した空状巣（巣材はチガヤ、ススキおよびオニウシノケグサ、8月22日撮影、赤いビニールテープは1cm×1cm）
動画１：カゴ状巣を球状巣に改造 2013/07/21 7分02秒
動画２：外側の壁を造る 2013/07/21 3分00秒
動画３： 内装にかかる 2013/07/22 ４分25秒
動画４： 雌親の巣の出入り 分娩当日 2013/08/05 52秒 （この個体は餌を口にくわえて巣に戻った）
動画５： 雌親の巣の出入り 分娩後４日目 2013/08/09 1分02秒
動画６： 巣の外の世界に興味しんしん １１日齢の幼獣 2013/08/16 1分17秒
動画７： 哺乳と吐き戻しの様子 １１日齢の幼獣 2013/08/16 1分18秒
動画８： 巣の外へ 12日齢幼獣 2013/08/17 1分25秒 （雌親が幼獣を巣から誘い出すように見える）