2016年7月4日、5日に2番草(第2回)の調査を行いました。梅雨明けには例年だと未だ10日~2週間程度はかかる時期でしたが、全体として牧草は順調な成長をしていました。
1.イタリアンライグラスの成長について
今年の1番草イタリアンライグラスでは、一部の草地で病気の発生が認められましたが、その後2番草ではほぼ回復していることが確認できました。
秋あるいは早春に堆肥を散布し、春肥を節減することをねらった草地がいくつかありましたが、この場合、1番草の収量がやや少なくなることはやむを得ませんが、収量減少程度と肥料代節約効果とを勘案して、来年の施肥方針を検討してください。また、1番草刈り後の追肥を節約する草地もありましたが、イタリアンライグラスが多い草地では、1番草刈り取り後の追肥が2番草の成長に及ぼす効果はあまり大きくなく、2番草イタリアンは早期に出穂し、茎葉の硬化も避けることはできませんので、経費節約効果は大きいと思われます。
例年、2番草のイタリアンライグラスは出穂、開花、結実が進み、茎葉の黄化と硬化が進み、餌としての栄養価が低下します。しかし、堆肥を入れた草地の場合、緑色が比較的長期間維持できています。堆肥の施用は乾草やサイレージの嗜好性や栄養価を若干でも改善する効果があるのではないかと推測されます。
2.オーチャードグラスの成長について
最近(2014年頃から)更新した草地のオーチャードグラスの成長には、共通した症状が見られます。草地全体のオーチャードグラスにうすく赤みがあり、下葉の枯れ上がりが早い傾向が観察されます。現時点ではリン不足の症状が出ていると考えていますが、確認する試験をする必要があります。